・年式:1997年 ・排気量:2000cc ・ボディカラー:ダークブルー ・走行距離:12万km ・車検:2015年8月 ・修復歴:無し ・装備:AT、エアコン、パワステ、パワーウインドウ、アルミホイール お電話は046−258−6533まで!24時間、365日担当と直接お話頂けます!電波の入りが悪かったり、電話に出れない状況の場合は担当から折り返し連絡をさせて頂きます。メールでの質問もお気軽にどうぞ! |
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諸元表 ・モデル名:サーブ・900SE2.0ターボ ・モデルイヤー:1993〜1998年 ・全長×全幅×全高:4637mm×1711mm×1436mm ・ホイールベース:2600mm ・トレッド前/後:1445mm/1445mm ・車両重量:1390kg ・前軸重/後軸重:890kg/520kg ・乗車定員:5名 ・エンジン型式:直列4気筒DOHC16バルブインタークーラーターボ ・駆動方式:FF ・総排気量:1984cc ・最大馬力:185ps/5750rpm ・最大トルク:23.5kgm/2000rpm ・ボアストローク:90.0mm×78.0mm ・圧縮比:9.2 ・燃料供給装置:電子制御燃料噴射 ・燃料タンク容量:68リットル ・変速機:4AT ・サスペンション前:ストラット式独立懸架 ・サスペンション後:セミトレーディングアーム ・フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク ・リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク ・フロントタイヤサイズ:205/50R16 ・リアタイヤサイズ:205/50R16 ・新車当時の価格:398万円(1997年当時) ※諸元表はネット等から得た情報ですので現車と異なる場合があります。異なる場合は現車を優先しますのでご了承下さい。 |
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サーブは現在の日本ではかなり知名度が低くなってしまっていますが、以前はかなりマニアックなユーザーからの支持が非常に高かったメーカーです。現在ではほぼ販売されていませんが、1990年代はそれなりの販売台数を誇り一般的な知名度もありました。現在で言うプジョーやルノーと同等の知名度はあったのです。しかし、2009年に当時傘下に入っていたGMの経営破綻によりオランダのスパイカーの傘下に入ります。1998年に900シリーズをモデルチェンジし、サーブ・9−3とサーブ・9−5を販売しますが、昔からのサーブファンから支持を得られなかったため、販売台数は激減してしまいました。ちなみにサーブはもともと航空機・軍需品のメーカーで、その中の自動車部門として1947年に設立され、自動車部門は「サーブスカニア」と言う社名を使っていました。 |
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今回入庫した900(DB204L)は昔のサーブの良さを残しつつ維持が簡単になった、ある意味いいトコ取りなモデルです。写真でも解るように最大の魅力のルーフエンドからテールのラインも昔のサーブの良さが残っています。この独特なスタイリングがサーブファンが最も溺愛するポイントの1つなのです。日本で最も売れたサーブはクラシック900(AB20SK)と呼ばれているモデルですが、こちらは全世界で100万台に近い販売台数を記録しました。クラシック900は大きく販売台数を伸ばしたのですが、一般の方には維持は難しいモデルでした。このクラシック900のラインを残しつつ、機械的な信頼性を高めたのがDB204Lです。DB204LはGM傘下に入ってからのモデルなので機械的な信頼性はクラシック900時代よりも格段に上がっており、普通の方でも楽に維持出来るモデルとなったのです。ちなみにクラシック900を初めて日本で購入されたのはタレントのテリー伊藤氏だったそうです。 |
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ボンネットからフロントウインドウのラインもサーブの魅力の1つです。クラシック900ではフロントウインドウが直角近くまで立てられていましたが、900は空気抵抗に配慮したためか、若干角度が調整されています。確かに多少フロントの角度は倒れましたが、全体的なラインはクラシック900のラインを強く残しつつ現代風にアレンジされた絶妙なデザインです。ちなみにサーブ初の開発車であるサーブ・92001は当時としては珍しい風洞実験が行われ、CD値0.32と言う脅威的な数値を記録しています。ベースが航空機メーカーらしく風洞実験や流線型のボディ、強靭なモノコック構造、現在で言うディフューザーにあたるアンダーカバー等、時代を超えた構造を数多く採用していました。 |
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サーブは1990年にアメリカのGMの傘下に入ります。900はGM指揮の下、オペル・ベクトラと共有のプラットフォームを使用して飛躍的に信頼性を上げて、ファミリーカーとして常識的に使える車になりました。しかし、900はクラシック900程のヒットはしませんでした。人によっては「クラシック900より現代的になってしまったので売れなかった。」と言われる方がいますが、個人的には違うと思います。クラシック900のデザインを強く残し信頼性も飛躍的に向上した質の高い車だったので、ニーズは間違いなくあっではないでしょうか?やはり当時輸入代理店だった三ツ和自動車の販売網の弱さやブームの沈静化が1番の原因だと思います。ちなみに現代技術でデザインされた900のボディはCD値0.3と言うこれまた驚異的な数値を記録しています。 |
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GMはオペルとサーブを現在で言うフォルクスワーゲンとアウディのような関係にしようと計画していたようです。つまり普及ブランドとしてオペル、上級ブランドとしてサーブと言う位置付けです。900はオペルのプラットフォームやエンジンを共有していますが、シートやセンターコンソールのイグニッションキー等のサーブらしい部分はすべて残っています。やはり上級ブランドとして個性は残しておきたかったのでしょうか?ちなみに新車当時の価格は298〜488万円と言うかなりの高価格帯でした。直列4気筒DOHCエンジンを搭載するサーブ・900S2.0iが1番安価なグレードでしたが、最大馬力133ps/6100rpm、最大トルク18.4kgm/2000rpm、車両重量1330kgと言うスペックは1994年に発売された日産・クルーの最大馬力130ps/5600rpm、最大トルク17.5kgm/4400rpm、車両重量1320kgがかなり近いです。もちろん車は車重とエンジンスペックだけではありませんが、クルーが206万8000円と言う価格だった事を考えるとやはりサーブは高級車だったのだと実感します。 |
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そこまで知られていませんが、サーブのシートは世界最高クラスです。ご覧のように本革シートでもないですしスポーツカーのようにホールド性が抜群と言うワケでもありませんが、乗ったらその理由が解ります。まず、欧州車全般的に言える事ですが適度な硬さがとても気持ち良いです。言うだけならとても簡単なのですが、適度な硬さと言うのは実は非常に難しいのです。硬過ぎたり柔から過ぎたりすると、長時間のドライブで疲れの原因になったり、日常的に使っていると腰痛の原因になったりするのです。サーブのシートはそれこそ車に乗って出発してから、目的地まで1度も座り直したりする必要が無いくらいにフィットします。コーナリング最中もズレたりせずにきちんと支えてくれます。 |
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トランクはかなりのスペースがあるので5人での旅行の際の荷物も楽に積めます。リアハッチもかなりの角度まで上がるので大きい荷物の出し入れもスムーズです。サーブ伝統のスタイリングである5ドアハッチバックスタイルですので、容量的には完全なワゴンスタイルの車よりは少ないと思いますがそれでも充分なスペースです。サーブの内装は鮮やかなカラーリングやカーボンパーツ等を多様した華やかなモノではありません。どちらかと言うと地味な内装です。しかし、地味だけど使い勝手に溢れる非常に居心地の良い空間に仕上がっています。サーブやボルボと言ったスウェーデン製の車は非常に長寿です。スウェーデン車の平均寿命は21年間と言うデータもあるくらいに、オーナー様は永く愛用します。永い期間使うのであれば、やはり華やかさよりも実用性が重視されます。 |
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今ではそこまで有名ではありませんが、1990年代は「安全と言ったらボルボ!」と言うイメージが定着されていました。確かにボルボは世界最高クラスの安全性を誇る車ですが、サーブも負けていません。世界初のアクティブヘッドレストの採用や衝突時の衝撃を計算して設置されたイグニッションキーの場所等はサーブならではの装備です。アクティブヘッドレストとは追突された時の頚椎捻挫を防ぐ安全装備です。追突されると人間の体は前に行こうとします。体が前に押し出されると反動で首は後ろに行ってしまい、その反動の力で首にダメージを受けます。アクティブヘッドレストは衝突時にヘッドレストが自動的に前に移動してくれて、首が反動で後ろに行かないように防いでくれる装置なのです。 |
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雪の国らしくスキー等を簡単に積めるトランクスルー機能付きです。サーブやボルボはスウェーデンと言う雪の国で生まれたからこその頑丈さを持っています。スウェーデンは面積の半分が自然のままの森林で占められています。自然がたくさん残っていると言う事は言い換えると、半分のエリアは未開の地と言う事です。そのようなエリアで氷点下を下回る気温の中、愛車が止まってしまったらどうなるでしょう?車の故障が命の危険に係わるからこそ、頑丈で高い信頼性があるのです。「信頼性が高いなら、何でクラシック900等の年代は故障が多く、維持が難しいのか?」と言われる方がいると思いますが、それは単純に使用する国の特徴だと思います。昔の輸入車がそこまで日本に入って来なかった時代の輸入車は、そこまで他国を意識していなかったのです。スウェーデンのような寒い国で生まれた車は日本のように渋滞が多く、高温多湿な国で使われる事を想定していなかったのです。 |
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車にとって1番の敵は熱です。エンジンルームに熱がこもればゴムや樹脂パーツの劣化は早くなりますし、冷却系のパーツは酷使されるので寿命も早まります。昔はスウェーデンのような極寒エリアで設計された車は、そこまで冷却性能やパーツの耐久性を重視してなかったように思えます。1年で1番暑い7月ですら、平均気温が20度程度の国ですのでそこまで冷却性能を求めないのは当然と言えば当然です。そのような車を夏になると40度近くまで気温が上がり、頻繁に渋滞の中を走る事を強要される日本で走らせればトラブル続出なのは当然です。クラシック900がトラブルが多く、維持が大変なのはこのような原因もあると思います。 |
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サーブは2007年に創業60周年を迎えましたが、この60年間で6つの革新的技術を開発しています。まず1952年にサーブ・92の設計で、燃料タンクを後輪間の低い位置に配置するという業界標準を打ち立てました。これにより衝突防護性能が高まり、重量配分が改善されています。現在のフロントエンジンの車のほとんどが同じ場所に燃料タンクを設置しています。今では普通の設計ですが、1番最初に開発したのはサーブだったのです。衝突された時の燃料タンクへのダメージを軽減すると同時に、重い燃料タンクを低い位置に搭載する事によって運動性能のアップにも貢献しているのです。 |
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2つ目はアルコール検知機能付きキーユニット、アルコキー(ALCOKEY)です。このキーユニットはドライバーの呼気中に規定量を超えるアルコールを検知した場合、エンジンが始動できなくなるというシステムです。現在、スウェーデンにおいてサーブの有志たちにより100件を超える試用プログラムが実行中です。この装置は2006年、スウェーデン自動車協会から自動車の安全または環境に大きく貢献する新考案として賞を受けています。「ちょっとくらいだから大丈夫・・・」と言う人間の弱さを正してくれる素晴らしいユニットです。早く全世界の車にこのシステムが採用される事を祈ります。 |
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3つ目はブラックアウトメーターパネルです。1993年、サ-ブは航空機のコックピットによく見られるような特徴的な装備を新型のサーブ・900に採用しました。ブラックアウトとは夜間走行時にドライバーにとって必要最低限の情報を伝える計器盤以外を消灯する事です。このシステムを使用する事によって、重要な情報以外は気にならないので運転のみに集中出来ると言うワケです。日本みたいにあらゆる道路にライトが設置されている国ですら、夜間は非常に慎重な運転が必要とされます。大半が自然のままのスウェーデンならさらに注意が必要なのは当然です。こんなところにもサーブの安全に対する取組みがされているのです。 |
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4つ目はシートヒーターです。やはりスウェーデンと言う寒い国だからなのか、防寒対策は早かったようです。1971年に世界初となる運転席シートヒーターがサーブから発表されました。当時、サーブの社員の1人が背中の痛みに悩んでおり、その痛みは凍るように寒い朝には特にヒドかったので、同僚が少しでも楽にしてやろうと運転席を暖める装置を考えたことがきっかけだったそうです。この装置があまりにも効果的で人気を博したため、生産車にも搭載されるようになったそうです。同僚の仲間への想いが世界的な発明になったのです。 |
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5つ目はアクティブヘッドレストです。上でちょっと説明しましたが、アクティブヘッドレストとは追突された時の頚椎捻挫を防ぐ安全装備です。1997年にサーブ・9−5に初めてアクティブヘッドレストが装備されてからサーブは、被追突時の頚椎捻挫に対する保護システムの開発において業界をリードする存在となりました。2003年、アメリカのTHE JOUNAL OF TRAUMAと言う雑誌に掲載されたサーブの研究では、アクティブヘッドレスト装備のサーブ車の衝突防護性能を未装備の旧型サーブ車と比較した場合、乗員の頸部に重大な負傷が発生する可能性が75%も低下することが明らかにされました。 |
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6つ目はイグニッションの位置です。サーブ車のイグニッションが、伝統的に左右のフロントシートの間に配置されているのには理由があるのです。人間工学やサーブ製航空機から受け継いだ伝統、そしてハンドブレーキやシフトレバー付近の使いやすい位置に配置が求められたことなどが、その理由です。さらに、この配置方法は、衝突事故の際に膝が負傷する危険性を減少させる効果もあるのです。航空機でほとんどの操縦装置がセンターコンソールに配置されているのはパイロットを衝突時に負傷しにくくさせるためなのです。こんなところにもサーブの航空機メーカーとしての安全対策が活きているのです。 |
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サーブはFF車がほとんどですが、これにも理由があるのです。FF車はコストダウンの為に発明されたと思い込んでいるヒトが大多数ですが、サーブは操縦安定性向上の為にFFと言う駆動方式を採用しました。事実、ミニ・クーパーが登場する以前の国際ラリー選手権(現代のWRC。)で最速のクルマの1台が、わずか750ccほどの排気量のサーブ・92やサーブ・93でした。安く造るためのFFでは無く、車としての性能に拘るためにサーブはFFを採用したのです。ちなみに量産車にFFを初めて採用したのはシトロエン、2番目がサーブでした。 |
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上記のようにサーブは「拘ったメーカー。」なのです。安全性から走行性能、デザインまですべてにおいてサーブ社の拘りが入っています。上記のような事が一般的に知られていないのでサーブは「良く解らないけどマニアックなメーカー。」と言うポジションのままだったのではないかと思います。しかし、このようなマニアックなポジションは本当の車好きにはたまらないモノだったりもするのです。簡単に言うと「解る人には解る車。」なのです。「普通の人とは違う個性的で味の濃い車に乗りたい。」と思っている車好きの方はぜひ1度乗ってみて下さい。 |
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年式の古いハッチバックタイプ車の弱点あるスペアタイヤハウスもとてもキレイです。古くなって来るとハッチバックのウェザーストリップが劣化し、雨漏りが発生しやすくなります。ハッチバックの雨漏りはハッチバックの縁を伝って、このスペアタイヤハウスに溜まります。サーブはとても剛性の高いボディですがウェザーストリップのようなゴムパーツの劣化はどうにもなりません。スウェーデンと言う雪国生まれのサーブですので、元々サビには強いのですがスペアタイヤハウスがプールのように水が溜まってしまっているような状態ではさすがにサビます。 |
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このフロントからリアまでの流れるようなデザインがサーブです。この独特なボディラインのみに惚れ込んでサーブを愛用する方も多々いらっしゃいます。荷室の容量のみを重視したワゴン車には絶対にマネ出来ない独特なデザインです。直角にリアハッチが開くワゴン車と違い、流線型のハッチバックにした事によってCピラーが非常に太くなりボディ剛性が高められています。フロントウインドウはそれなりに角度がありますが、フロントからリアまでの流れるようなデザインのおかげでCD値は0.3と言う素晴らしい数値になっています。 |
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サーブ独自のシステム「ブラックアウトメーター」をご説明します。上記写真は通常のライトオンの状態です。左2つは順番にタコメーター、スピードメーターになっています。1番右は左から時計回りに水温計、ブーストメーター、ガソリン計となっています。必要最低限のとても見やすいシンプルなメーターです。数字は目に優しいグリーンで、メーターの針やワーニングゾーンは赤系の解りやすい色でまとめられています。輸入車が初めての方でもまったく問題無く使える機能重視のメーターです。 |
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こちらがブラックアウトした状態です。スイッチ1つでスピードメーター以外のメーターがすべてオフになります。サーブ社はスピードメーターが1番重要なメーターと考えているらしく、夜にブラックアウトすると見事にスピードメーターしか目に入って来ません。もちろんエアコン等の操作系のパネルはライトオン状態なのですが、視界にはほとんど入らないので酢ピードメーターと前方の景色しか目に入らない状態になります。ここまでされたら誰でも運転に集中出来ると思います。 |
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このエンブレムを見て「昔のサーブだ!」と気が付く方は相当マニアックな方です。最初にちょっと触れましたが当時、サーブは「サーブスカニア」と言う社名でした。ご覧のように下部に「スカニア」と入っています。エンブレムの中心に描かれているの動物は、ギリシャ神話に出て来る伝説上の動物「グリフォン」です。グリフォンは空の象徴であるワシの頭と翼、陸の王者であるライオンの体をもつ「守護」と「強さ」の象徴と言われています。 |
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サーブ・900がデビューした時のイメージ動画です。動画で見ると独特で美しいボディラインがさらに強調されます。動画では900シリーズが色々な場所を走行します。高級住宅街、ワインディング、ヨットハーバー・・・どんな場所でもとても似合う車です。動画だと伝わりにくいと思いますが、サーブのターボグレードはワインディング等でもかなりスポーティな走りが可能です。拘りのFFと戦闘機譲りのターボパワーが楽しい走りを実現させてくれます。スポーティに走ってものんびり走っても、とても楽しい1台です。 |
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